2023Season Episode5 蹴球素人分析官 アルビレックス新潟戦



月18日に行われた2023年J1リーグ第一節の対戦相手、アルビレックス新潟は昨シーズン勝ち点84でJ2リーグを制した。得点73、失点35、得失点数38であるから、高い攻撃力と堅固な守備力を兼ね備えている。前任者のアルベル監督(当時アルベルト、現FC東京監督)がベースを作り、現監督の松橋監督がチームを成熟させたのであろう。ちなみに松橋監督はセレッソの小菊監督と同時期にS級ライセンスを取得した同期の桜のようだ。以前から感じていたがS級ライセンス同期というのは弁護士の司法試験に似て同期に特別な思い入れがあるもののようである。

それはともかく、新潟のサッカーはボールポジション率を高め、後ろから繋いで相手の陣形を崩し 得点するというもの。試合前はセレッソの前からの強烈なプレスにより、新潟の思うようにビルドアップをさせないだろうと期待したが_

試合結果は2-2のドロー。残念ながら、時間帯によってはセレッソの前プレスが上手く嵌らず、中盤でパスを通され、ピンチを招いた印象。特に新潟の#13伊藤選手には手を焼いていた。 今回は少しこの試合に関して素人分析をしてみよう。

図1.ゾーニング

 

リーグのサッカーのピッチは縦68m×横105m。素人分析官が試合を振り返り、何が起こっていたかを振り返るために、自分なりのピッチのゾーニングをしてみた。自陣ゴールラインからペナルティエリアまでの0~16.5mをゾーン0。同じく敵陣の88.5~105mまでをゾーン4とした。残り中央の72mを24mずつに三分割して自陣より16.5~40.5mをゾーン1、40.5~64.5mをゾーン2、64.5~88.5mをゾーン3とした。(図1.ゾーニング)

このピッチに昨季のセレッソのDF、MFおよびFWのタックルラインを重ねてみる。(タックルラインの出典はELGOLAZOのJ1&J2全40クラブ総括レポート2022より)
この本によるとDF、MFおよびFWのタックルラインはそれぞれ28.9m、42.0m、58.3mだった。(図2.タックルライン)
図2.タックルライン

うやってみるとフィールドプレイヤー10人がカバーできるエリアが狭いことがわかる。この位置はタックルライン。選手の立ち位置はもう少し後ろなのでセレッソはゾーン1からゾーン2の自陣側半分の横 約30mを4-4ー2のブロックで守っていることになる。前提として昨季と同様の位置で守備をすると仮定して、この試合はなぜ苦戦したのかを検証してみよう。
図3.スターティングメンバー
ターティングメンバーにGKが直前に体調不良となったキムジンヒョンに代わって清水。LCBに西尾、RSBに毎熊、LDMに原川が入った。新加入外国人選手CFレオセアラとRSHジョルディクルークスも先発。2トップのもう一人には北野。複数のFW陣にも直前に体調不良の選手が出たということだが、加藤がサブに入っているので上門、藤尾は若干時間がかかるのか。現地での試合観戦では、試合開始直後に新潟  伊藤がゾーン1に侵入してきて前を向いたプレイの印象が強かった。
図4.前半3分
潟のフォーメーションは4-2-3-1と伊藤をトップ下に配置。セレッソの原川、奥埜の2ボランチは新潟ほ2ボランチをケアしながら、伊藤も見なければならないため、どうしても伊藤が浮いた状態になる。伊藤は細身の体格ながら、デュエルにも強く競り合ってボールを保持、前を向くのも上手く、おまけに精度の高いラストパスも出せる。前半22分新潟の先制点はロングボールからであったもののまさにそういうかたちだった。
それでも、セレッソは前半28分に同点に追いつく。山中のスピードのあるクロスが一旦、右サイドに流れるが、これを今度はクルークスがこれもスピードのあるクロスで折り返し、大外の為田がヘッドで合わせる。


半は徐々にオープンな展開になったが、やはり新潟がしっかりボールを繋いで攻撃。セレッソもショートカウンターを狙うが肝心なところでパスミスが多かった印象。中盤で横パスがずれて決定的なピンチになる場面もあった。まだまだ開幕戦。これからこの辺の精度を上げていって欲しい。
後半75分に途中交代で入った香川のふわりと浮いたパスが起点となって、こぼれ球に反応した奥埜が目の覚めるようなシュートで逆転。


これで明日のスポーツ紙の一面は香川だろうとほくそ笑んでいたが、80分にセットプレイから失点。このコーナーキックを蹴ったのも伊藤。昨季からの71分以降の失点が解消されずにこのまま2-2引き分けで終了。悔やまれるのはこの直後に中原、舩木と投入しているので守備の強度を高める交替だったと思うが、一歩遅れた。チームの成熟度でいうとに新潟の方がよく、引き分けは妥当だったと思う。苦戦の原因はやはりゾーン1で新潟の伊藤選手に仕事をさせてしまっていたことだろう。伊藤選手が間、間に自由に動いてくるのを2ボランチが対面する相手のボランチをみながらケアするのは難しかった。

感_。クルークス選手、想像以上に素晴らしい。RSHはクルークス選手が序列一番であるだろう。その結果、小菊監督が話したようにRSBは毎熊、松田、進藤選手の争いになるが、小菊監督の好みは攻撃力があって、体格のある毎熊選手だと感じる。松田選手のクロスと相手選手と揉めた時に頼りになるので好きな選手だ。今後、このポジションのスタメン争いがどうなるかは注目度大である。

レオセアラ選手はこの試合では良さが発揮できなかった。毎熊選手がシュートにいった時、俺に出してくれというジェスチャーをしていたが、周りとの連携はこれからだろう。

香川選手_さすがに雰囲気がある。約20分のプレイだったが2点目の起点となったパスはオーバーラップする山中選手が丁度、追いつける優しいパスだった。技術は錆びないということか。


2023年2月18日(土)2023年明治安田生命J1リーグ第1節
セレッソ大阪2-2アルビレックス新潟
 @ヨドコウ桜スタジアム 天候:曇り時々雨 14:03 KO 観客17,928

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