2022Season　Episode35　ウクライナ遥か　サガン鳥栖戦

Ｊ１リーグ第２９節ホームサガン鳥栖戦。

この試合は戦禍を逃れ、セレッソのホームタウンである大阪市と堺市に避難してこられたウクライナの人たちを招待することがクラブからリリースされていた。当日、鶴ケ丘駅でスマートフォンで記念撮影されているそれと思しきご家族をお見かけした。

また、試合前のセレモニーではスタジアムＤＪが彼らを紹介し、「日本のトッププロの試合を楽しんでください」と歓迎の言葉を述べた。スタジアム内で募金活動も行われた。

セレッソがクラブとしてできることで支援する姿勢を示したことは本当に良かったと思うし、一ファンとして誇りに思う。

ところで彼らは試合を観てどう感じただろうか。

白熱した試合を観てワクワクしたり、ひやりとしたり、最後にセレッソが勝てて嬉しかった、そんな気持ちはあっただろう。

母国ウクライナから遠く離れた異郷の地、言葉も習慣も違い、かなりのストレスと戦争がいつ終わるかわからないという不安。試合に集中することによって一時でもそういったものを忘れ、希望を持ったかもしれない。

選手たちの懸命のプレイを観て前向きに明日を生きる活力を得たかもしれない。

想像するに１年前、彼らはわれわれと同じくウクライナのセレッソ、ウクライナのサガン鳥栖を普通に応援していた人たちではないか。

週末には地元クラブを応援して、勝って喜び、負けて悔しがり、どちらにしてもまた、次の試合を応援する。

サッカーによって人生に潤いを得てきた人たちではないか。そんな人たちからサッカーを奪い取る権利など誰にもない。

彼らが応援するウクライナのクラブ。スタジアムはどうなっているのだろうか。クラブハウスは、練習場は．．．。

一日も早く戦争が終結して母国ウクライナに帰国、応援する地元クラブの試合が開催され、精一杯応援できるそんな当たり前の日常が戻ることを願う。

そうして日本で観たセレッソの試合。SUZUKIという選手がいままで見たこともないキャプテン翼のようなゴールを決めたことを母国の友達に語ってもらえるような日が明日にでも来ることを願う。

２０２２年９月１０日（土）明治安田生命Ｊ1リーグ第２９節

セレッソ大阪２－１サガン鳥栖

　@ヨドコウ桜スタジアム　天候：晴　１９：０３ＫＯ　観客１１，１８７人

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