2023Season Episode27 感想戦は敗者のために 名古屋グランパス戦

 

「感想戦は敗者のためにある。」(藤井聡太)新名人の好きな言葉だという。勝者は喜びを露わにせず、未見の最善手を追求する。敗者は悔しさをぐっとこらえ、失敗からの学びを次のつなげようとする。(朝日新聞6月2日朝刊  天声人語より)流石、若干二十歳で棋界を席巻する新名人の言葉である。将棋では対戦者のどちらかが投了し勝敗が決した後、

想戦で初手から駒を動かし合い、お互いの戦略の意図、違う指し手を刺していればどう対応したかを検討する。その刹那、敗者はさぞ悔しいだろうなと思うのは凡人であり、名人ともなれば道なき道を進むため、感想戦を次の勝利への糧にするようである。サッカーで言えば、負けた試合をDAZNでじっくり見返すのは辛いものであるがここは藤井名人よろしく、J1リーグ第16節アウェイ名古屋戦を失点シーンを中心に振り返ることにする。

日の台風一過の影響で豊田スタジアムの横を流れる矢作川は泥を含んでどんよりとした流れをとどめていた。午後4時からキックオフであったため、大阪を出たのはゆっくりであった。新幹線は午前中は便数を極端に減らしての運航のようであったが、近鉄電車を通常運転をしており、スムーズにスタジアムまで来ることが出来たのは良かった。

⚽スタメン

セレッソのスタメンは前節に怪我をして前半で退いたクルークスに代わってカピシャーバがRSHに入る。

この試合、セレッソははっきりした4-4-2のシステム。2トップのレオセアラの相棒は”おっくん”こと奥埜。CBのヨニッチも怪我で欠場が続いており、先のクルークスも加えてリーグ戦折返しを前に怪我人が目立ってきた。なんとかやり繰りしながら、苦手名古屋に挑む。
アウェイ名古屋戦は瑞穂を含めてここ数年、お邪魔しているのだが、勝ったところを観たことがないので何とか今日は勝って欲しい。

前半1分59秒⚽名古屋の守備

名古屋の守備はセレッソの進藤、鳥海の2CBにはユンカー、永井をあて、香川、鈴木の2Vにはマテウス、稲垣をあてていた。最終ラインは4バック気味でラインを組むので必然的に為田、奥埜はフリーになる。このシーンではキムジンヒョンのGKがハーフスペースに入った為田にパス、米本がチェックしファールで止めたシーン。

⚽前半4分⚽セレッソ得点 得点者カピシャーバ 名古屋0-1セレッソ大阪



名古屋の守備が後ろに重く、カピシャーバがボールをゴール前まで運んでシュート。セカンドボールを上がっていた山中がシュート。リフレクションしたボールをまたもやカピシャーバが押し込んだ。
思わぬ早い時間帯にセレッソは先制できた。
名古屋が修正できていないうちに2点目をとりたいが...。



⚽前半9⚽名古屋の攻撃 強い当たりと縦に早いカウンター

名古屋の狙いはポジティブトランジション時の縦に速いカウンター。セレッソが山中を上げて攻めた後、ボールを奪った際にはユンカーがセレッソの左サイドに流れてボールの受け手となる。スピードのある永井を走らせ、マテウス、稲垣も攻撃に加わる。セレッソは為田が米本に、鳥海がユンカーに剥がされピンチになる。この時間以降、名古屋の時間帯になっていく。
⚽前半21⚽セレッソ失点 名古屋1-1セレッソ大阪

セレッソがきちんと4-4-2を組んだなかでの失点。マテウスにライン間で自由に動かれてふわりとしたくさびのパス。ユンカーを狙ったと思われるが少しずれる。山中の背後から走り込んできた和泉に決められた。試合開始当初から名古屋の狙いはセレッソの左サイド。ウィークを突かれた。

⚽前半31⚽セレッソ失点 名古屋2-1セレッソ大阪
更に10分後、CKより失点を喫す。CKになる前のプレイでGKから鳥海にパス。鳥海がキムジンヒョンに返したが、鳥海のポジショニングもこのパスが悪かった。猛然と永井がキムジンヒョンにアタック。キムジンヒョンがロングフィードしようとしたが、CKになった。微妙な判定にキムジンヒョンが猛然と抗議するが、CKの判定は変わらず。名古屋は早いリスタートをするが、これは審判に認められず、CKのやり直し。 マテウスが蹴った二度目のCKはニアで合わされ、こぼれ球を中谷に決められた。セレッソは浮足立って良くないがプレイ続き、自らリズムを崩しているように見えた。キムジンヒョンは明らかに自制心を失っており、誰か宥めにいく選手がいればよかったが_勿体ない失点。

⚽前半43⚽セレッソ失点 名古屋3-1セレッソ大阪

立て続けに失点。セレッソのボール回しから、ハーフスペースに入った為田がカットインするところを藤井に読まれカットされた。マテウスにパス、山中は高い位置に上がっており、長い距離をドリブルされ、そのままシュート。勝負ありの失点。名古屋長谷川監督は最初からセレッソの左サイドを狙っていた節があり、何度もチャンスを作られてしまった。名古屋の戦術が見事に嵌り、前半で勝敗が決まってしまった。

【雑  感】・三位の名古屋に勝てれば目標のトップスリーがみえてくると意気込んで臨んだアウェイ戦。残念ながら力負けした結果になってしまった。後半開始からはキムジンヒョン→ヤンハンビン、山中→舩木、為田→中原とゴールキーパーと左サイドが代えられてしまい、なんとも辛い感想戦となった。やはり残念だったのは二失点目前の状況である。審判の判断で味方が熱くなっているというのはよくあること。その時、冷静になれとか、集中しろとか言ったピッチ内でチームを落ち着かせる存在が必ず必要である。あのシーン、スタジアムで観ていて、チーム全体が何かに飲み込まれているように感じた。キャプテンの不在は大きいと感じたシーン。

・昨季から下位チームには勝てても上位チームにはなかなか勝てないという状況だが、この壁を突破できなければ、トップスリーという目標を達成することは出来ない。水曜日の天皇杯二回戦を挟んでリーグ戦折返し前の前半最終戦である次節はホームでの首位神戸との対戦。なんとか一泡吹かせたい。

2023年6月3日(土)2023年明治安田生命J1リーグ第16節
名古屋グランパス3-1セレッソ大阪
 @豊田スタジアム 天候:晴 16:03 KO 観客22,912

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